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なぜホイールバランスは問題ないのに振動が直らないの?

最近、「ホイールバランスは問題がないのに、なぜ振動が直らないの?」 という話を耳にします。


今までは、ホイールバランサーで、タイヤとホイールから発生する振動を、修正できるものと考えられ、実践して来ました。

一般的に、ホイールバランスとは、タイヤとホイールのアンバランス(質量)を、修正します。

ホイールバランス_7

ホイールバランス(アンバランス)による振動については、こちらを見てください。


しかし、タイヤとホイールは、ほかの原因で、振動を引き起こすことがあります。


例えば、ランアウト(形状)です。

タイヤやホイールにランアウトが生じていると、振れ回りが生じます。

ホイールバランス_9

過度のランアウトは、振動を引き起こします。


もう一つは、フォースバリエーション(剛性)です。

フォースバリエーションとは、力の変動を表し、タイヤとホイールの間に、スプリングの集合体をイメージすると、理解しやすいです。

例えば、1ヶ所だけ硬いスプリング(赤色)が、あったとします。

このような状態で、タイヤが転がると、路面に硬い部分が接地する度に、突き上げられます。

ホイールバランス_11

過度のフォースバリエーションは、振動を引き起こします。


このように、問題の原因を追求すると、タイヤとホイールから発生するユニフォーミティが、起因していると考えられます。

タイヤとホイールの質量(アンバランス)・形状(ランアウト)・剛性(フォースバリエーション)の均一性を総称し、ユニフォーミティと呼ぶこともありますが、一般的に自動車やタイヤ業界では、ユニフォーミティといえば、剛性(フォースバリエーション)をさします。

フォースバリエーションには、ラジアル(接地方向)、ラテラル(左右方向)、トラクティブ(前後方向)があり、特に振動に対して影響力が大きい、ラジアルフォースバリエーション(RFV)に注意します。

ホイールバランス_16


バランス作業(ホイールバランサー)では、ランアウトやフォースバリエーションを、見つけ出す事はできません。

ホイールバランス_12


HUNTER GSP9700 ロードフォースシステムには、ロードローラーが搭載され、走行状態を再現して、タイヤとホイールのテストが行えます。

ホイールバランス_13

GSP9700が問題を発見すると、その原因と対処方法を教えてくれます。


このような測定が求められる理由として、車両の感度レベルの変化や、高性能タイヤが増えたことや、乗り心地への期待感の増大が考えられます。


参考までに、GSP9700で、サイズが異なるタイヤ・ホイールAssy(以下:アッセンブリ)の、ラジアルランアウト(mm)とラジアルフォース(N)を測定してみると・・・

275/40R18 では、0.33mm / 95N
245/45R18 では、0.29mm / 70N
165/70R14 では、0.29mm / 50N

このように、ラジアルランアウトが同じでも、タイヤの剛性によって、ラジアルフォースは異なります。


ラジアルランアウトとラジアルフォースは、どちらを優先すべきかというと・・・

ラジアルランアウトは、空転時のアッセンブリを測定しているようなイメージです。

ラジアルフォースは、走行時のアッセンブリを測定しているようなイメージです。

剛性の高いタイヤほど、走行時のアッセンブリを、より真円に近づけるような調整作業が求められます。

ホイールバランス_14


最後に、アンバランス(質量)を調整します。


HUNTER GSP9700の使用例ついては、こちらを見てください。

HUNTER GSP9700 ホイールバランサーの実力は?フォースマッチング編

HUNTER GSP9700 ホイールバランサーの実力は?ラテラルフォース編


ホイールバランスだけで満足できますか?

ホイールバランス_15


詳しくは、こちらの動画やHUNTER GSP9700 導入店にご相談ください。
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イヤサカ/IYASAKA

Author:イヤサカ/IYASAKA
自動車試験・整備機器及びシステムの専門商社としてイヤサカは、常に一歩先の時代を想定し、今、何が求められているのかをひとつひとつきっちりと検討し、人とクルマと環境のより良い関係をユーザーの視点で創造、提案します。

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