Archive | 2012年03月
HUNTER GSP9700 ホイールバランサーの実力を紹介します。
(前回よりも写真を増やして、少し見やすく?してみました)
前回と同様に、高速道路を走行すると、100km/h辺りで振動が発生するので、ホイールバランスやホイールアライメントの調整を行ってみたが、改善されず、困り果てていたそうです。
フロントタイヤは225/40R18、 リアタイヤは235/40R18、 ホイールは社外品18インチです。

まずは、GSP9700で現状確認です。
HUNTER GSP9700 ホイールバランサーについては、こちらを見てください。
GSP9700にタイヤとホイールのアッセンブリ(以下、アッセンブリ)をセットします。
今回も、セット方法は、こだわりのセット方法を使います。(セット方法の細かな説明は、また今後にします)
こだわりのセット方法とは、クルマの装着状態と同じように、GSP9700に固定する方法のことです。
調整式フランジプレートとコレットを使用して、こんな感じでアッセンブリを固定します。


左前<1番> ⇒ 右前<2番> ⇒ 左後<3番> ⇒ 右後<4番>の順番で測定して、タイヤとホイールに番号をふります。
測定結果は・・・
左前<1番>と右前<2番>のラジアルフォースバリエーション(以下、ラジアルフォース)が、120N、許容オーバーです。
これが原因で、ハンドル振動(シミー)が発生していると思われます。
ハンドル振動(シミー)については、こちらを見てください。
ラテラルフォースは、右へ 45N なので問題ありません。

左前や右前のようなアッセンブリは、振れ回りが大きくなります。
アッセンブリの回転速度が速くなると、振動力や周波数も高くなります。
一定のスピードで振動が発生してしまうのは、サスペンションの固有振動数とアッセンブリの周波数が一致した時に、突然、大きな振動が発生するからです。
これを共振点と言います。

ラジアルフォースバリエーション(RFV)については、こちらを見てください。
ちなみにウェイトバランス(アンバランス)が悪くても同じです。
アッセンブリが回転すると遠心力が発生し、振れ回りが大きくなります。
これが、タイヤやホイールが原因で発生する振動のメカニズムになります。
ウェイトバランス(アンバランス)については、こちらを見てください。
診断結果から、<1番>と<2番>のフォースマッチングとアンバランス調整を行います。
もう一度、GSP9700に<1番>のアッセンブリをセットして、測定します。

測定結果は・・・
ラジアルフォースは 100N、アンバランスは 15g です。
測定しただけで、ラジアルフォースが、120N ⇒ 100N に変わってしまいました。
これは、タイヤとホイールの組み付け不良(フィッティング不良)も考えられます。

次に、<2番>のアッセンブリを測定します。
測定結果は・・・
ラジアルフォースは 90N、アンバランスは 15g です。
測定しただけで、ラジアルフォースが、120N ⇒ 90N に変わってしまいました。
これも、タイヤとホイールの組み付け不良(フィッティング不良)も考えられます。

原因を調べる為に、SICE S300 レバーレスタイヤチェンジャーで、<1番>と<2番>のアッセンブリをばらします。
この S300 も優れもので、パワフルかつデリケートな操作で、超ロープロタイヤでも綺麗にスムースに着脱できます。

ばらしたホイールをGSP9700に固定し、内側と外側のリムランアウトを測定します。

<1番>の診断結果は・・・
タイヤの交換を勧められてしまいました。
ホイールは良好です。
画面の右図から、タイヤ(凸)とホイール(凹)のベスト!?な組み付け位置が、120° くらい違います。

<2番>の診断結果は・・・
タイヤは注意です。
ホイールは良好です。
画面の右図から、タイヤ(凸)とホイール(凹)のベスト!?な組み付け位置が、180° くらい違います。

組み付け不良が、診断結果に悪さをしているかも知れませんが、とりあえず、フォースマッチングを行ってみます。
タイヤ(凸)とホイール(凹)に印を付けます。

S300でタイヤとホイールを組み付けます。

次に、上下のローラーでタイヤをはさみ・・・

ホイールだけ回転させて・・・

もう少し・・・

このように、S300であれば、簡単にフォースマッチングができます。

エアを充填し、タイヤとホイールをフィッティングします。(・・・慎重にやらないと)
フォースマッチング後の結果は・・・
<1番>は、120N ⇒ 50N まで、ラジアルフォースを低減でき、正常値になりました。
タイヤも良好となり、やはり組み立て不良(フィッティング不良)が、原因だったみたいです。

<2番>は、120N ⇒ 55N まで、ラジアルフォースを低減でき、正常値になりました。

次に、HUNTER独自のスマートウェイトでウェイトバランス(アンバランス)の修正を行います。
次に、フォースマッチング後の、ラテラルフォースをチェックします。
今回は、前後のタイヤサイズが異なり、タイヤの回転方向(ローテーション)も決まっているので、元の位置に装着します。
チェック内容は・・・
◆右流れの傾向で、できるだけラテラルフォースを小さくすると、ハンドル流れが伝わりにくくなります。
◆ラジアルフォースが小さいアッセンブリを前輪に装着すると、ドライバーに振動が伝わりにくくなります。
◆ラジアルフォースとラテラルフォースのバランスを考えます。
結果は・・・
フォースマッチング後は、右方向で 45N ⇒ 30N までラテラルフォースを低減することができました。
調整だけで、トータルバランスも、良い感じに仕上がりました。
実際には、すべて調整だけで直るとは限りません。診断してみると、タイヤやホイールの交換が必要なこともあります。

最後に、アッセンブリの凸に印を付けます。
ホイールとハブの面合わせ部を、綺麗に掃除します。
アッセンブリの凸を12時の位置にして、クルマに装着することで、ホイールのセンター穴とハブとの僅かなクリアランスでマッチングを行います。
そして、ホイールナットを規定トルクで均等に固定します。

それでは、ロードテストをしてみます。直っているのでしょうか?
「直りました!」
振動問題が、解決できてよかったです。これで作業終了になります。(作業時間は、3時間くらい)
詳細は HUNTER GSP9700導入店にご相談ください。
(前回よりも写真を増やして、少し見やすく?してみました)
前回と同様に、高速道路を走行すると、100km/h辺りで振動が発生するので、ホイールバランスやホイールアライメントの調整を行ってみたが、改善されず、困り果てていたそうです。
フロントタイヤは225/40R18、 リアタイヤは235/40R18、 ホイールは社外品18インチです。

まずは、GSP9700で現状確認です。
HUNTER GSP9700 ホイールバランサーについては、こちらを見てください。
GSP9700にタイヤとホイールのアッセンブリ(以下、アッセンブリ)をセットします。
今回も、セット方法は、こだわりのセット方法を使います。(セット方法の細かな説明は、また今後にします)
こだわりのセット方法とは、クルマの装着状態と同じように、GSP9700に固定する方法のことです。
調整式フランジプレートとコレットを使用して、こんな感じでアッセンブリを固定します。


左前<1番> ⇒ 右前<2番> ⇒ 左後<3番> ⇒ 右後<4番>の順番で測定して、タイヤとホイールに番号をふります。
測定結果は・・・
左前<1番>と右前<2番>のラジアルフォースバリエーション(以下、ラジアルフォース)が、120N、許容オーバーです。
これが原因で、ハンドル振動(シミー)が発生していると思われます。
ハンドル振動(シミー)については、こちらを見てください。
ラテラルフォースは、右へ 45N なので問題ありません。

左前や右前のようなアッセンブリは、振れ回りが大きくなります。
アッセンブリの回転速度が速くなると、振動力や周波数も高くなります。
一定のスピードで振動が発生してしまうのは、サスペンションの固有振動数とアッセンブリの周波数が一致した時に、突然、大きな振動が発生するからです。
これを共振点と言います。

ラジアルフォースバリエーション(RFV)については、こちらを見てください。
ちなみにウェイトバランス(アンバランス)が悪くても同じです。
アッセンブリが回転すると遠心力が発生し、振れ回りが大きくなります。
これが、タイヤやホイールが原因で発生する振動のメカニズムになります。
ウェイトバランス(アンバランス)については、こちらを見てください。
診断結果から、<1番>と<2番>のフォースマッチングとアンバランス調整を行います。
もう一度、GSP9700に<1番>のアッセンブリをセットして、測定します。

測定結果は・・・
ラジアルフォースは 100N、アンバランスは 15g です。
測定しただけで、ラジアルフォースが、120N ⇒ 100N に変わってしまいました。
これは、タイヤとホイールの組み付け不良(フィッティング不良)も考えられます。

次に、<2番>のアッセンブリを測定します。
測定結果は・・・
ラジアルフォースは 90N、アンバランスは 15g です。
測定しただけで、ラジアルフォースが、120N ⇒ 90N に変わってしまいました。
これも、タイヤとホイールの組み付け不良(フィッティング不良)も考えられます。

原因を調べる為に、SICE S300 レバーレスタイヤチェンジャーで、<1番>と<2番>のアッセンブリをばらします。
この S300 も優れもので、パワフルかつデリケートな操作で、超ロープロタイヤでも綺麗にスムースに着脱できます。

ばらしたホイールをGSP9700に固定し、内側と外側のリムランアウトを測定します。


<1番>の診断結果は・・・
タイヤの交換を勧められてしまいました。
ホイールは良好です。
画面の右図から、タイヤ(凸)とホイール(凹)のベスト!?な組み付け位置が、120° くらい違います。

<2番>の診断結果は・・・
タイヤは注意です。
ホイールは良好です。
画面の右図から、タイヤ(凸)とホイール(凹)のベスト!?な組み付け位置が、180° くらい違います。

組み付け不良が、診断結果に悪さをしているかも知れませんが、とりあえず、フォースマッチングを行ってみます。
タイヤ(凸)とホイール(凹)に印を付けます。

S300でタイヤとホイールを組み付けます。

次に、上下のローラーでタイヤをはさみ・・・

ホイールだけ回転させて・・・

もう少し・・・

このように、S300であれば、簡単にフォースマッチングができます。

エアを充填し、タイヤとホイールをフィッティングします。(・・・慎重にやらないと)
フォースマッチング後の結果は・・・
<1番>は、120N ⇒ 50N まで、ラジアルフォースを低減でき、正常値になりました。
タイヤも良好となり、やはり組み立て不良(フィッティング不良)が、原因だったみたいです。

<2番>は、120N ⇒ 55N まで、ラジアルフォースを低減でき、正常値になりました。

次に、HUNTER独自のスマートウェイトでウェイトバランス(アンバランス)の修正を行います。
次に、フォースマッチング後の、ラテラルフォースをチェックします。
今回は、前後のタイヤサイズが異なり、タイヤの回転方向(ローテーション)も決まっているので、元の位置に装着します。
チェック内容は・・・
◆右流れの傾向で、できるだけラテラルフォースを小さくすると、ハンドル流れが伝わりにくくなります。
◆ラジアルフォースが小さいアッセンブリを前輪に装着すると、ドライバーに振動が伝わりにくくなります。
◆ラジアルフォースとラテラルフォースのバランスを考えます。
結果は・・・
フォースマッチング後は、右方向で 45N ⇒ 30N までラテラルフォースを低減することができました。
調整だけで、トータルバランスも、良い感じに仕上がりました。
実際には、すべて調整だけで直るとは限りません。診断してみると、タイヤやホイールの交換が必要なこともあります。

最後に、アッセンブリの凸に印を付けます。
ホイールとハブの面合わせ部を、綺麗に掃除します。
アッセンブリの凸を12時の位置にして、クルマに装着することで、ホイールのセンター穴とハブとの僅かなクリアランスでマッチングを行います。
そして、ホイールナットを規定トルクで均等に固定します。

それでは、ロードテストをしてみます。直っているのでしょうか?
「直りました!」
振動問題が、解決できてよかったです。これで作業終了になります。(作業時間は、3時間くらい)
詳細は HUNTER GSP9700導入店にご相談ください。
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プロフィール
Author:イヤサカ/IYASAKA
自動車試験・整備機器及びシステムの専門商社としてイヤサカは、常に一歩先の時代を想定し、今、何が求められているのかをひとつひとつきっちりと検討し、人とクルマと環境のより良い関係をユーザーの視点で創造、提案します。
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